本屋さんごっこ

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びっくり カラマーゾフ的激情の物語に秘められた世界を垣間見る
JUGEMテーマ:読書

いわゆる“名作”“大作”の小説にあって、およそ純文学からは程遠い見習い店員でも、十分楽しめた「カラマーゾフの兄弟」。だが、物語の奥に(あるいは頭上に?)、幾層にも重なるオーケストラのごとく、物語と重なり合い豊かに広がる別の旋律が奏でられていたことを、見習い店員は「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」で知った。
「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する (光文社新書 319)
4334034209亀山 郁夫
光文社 2007-09
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ドストエフスキーは、壮大な大長編の前編として「カラマーゾフの兄弟」を書いていたんですね!
序文なんぞすっ飛ばして読んでいたし、ドストエフスキーについても良く知らなかったのではじめて知った。
これまでも、ドストエフスキーの死亡によってついに書かれなかった後編(続編)について、様々な人たちが「こうだったのでは?」と考えていたのですね。

ドストエフスキーの研究やソ連時代の文化に造詣が深く、しかも久しぶりの新訳の翻訳者が「カラマーゾフの兄弟」の続編を空想し、読者をその世界へ誘う。(と言っても、ちゃんと根拠がある上での空想です)
書いてあることの全てを理解できたわけではないですが、物語の時代=ドストエフスキーの時代のロシア帝国末期の社会情勢や、ロシアの人々の精神的支柱であったロシア正教がヨーロッパのキリスト教ともまた違った形であること、そのために社会主義を唱え始めたマルクスは神を信じることが苦痛を試練と受け止めてしまうために却って害があると考えたらしいのに、ロシアでは、ロシア正教、また、さらに教会から離れて直接神とつながろうと欲した人々の考えと社会主義思想が一体化したこと、また、ドストエフスキー自身の癲癇という病から起こる精神状態、死のぎりぎりまでを経験したこと、また皇帝に象徴される帝政による検閲をまぬがれて連載できるよう心をくだいていたこと、さらに小説が発表されるとあちこちで朗読会が開催され、人々に影響をおよぼしていくという、小説が今以上に重きをなしていたメディアであったこと…色々なことを知るたびに、読む面白さは、さらに深まるものなのだなぁと知った。

と言っても、当時の様子や、ドストエフスキーの人生や考え方など、文献を読んだりするのは面倒くさい(理解できるわけがなさそうだから)ので、見習い店員にもわかりやすくそこんところを書いた本はあるのかな。
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『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する 亀山郁夫(光文社新書)
まず初めに。この本は「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー)を読んだ人専用の本です。「カラマーゾフの兄弟」を読んでない人には全く意味のない本なので、注意してください。...
| Sasaki Takanori Online | 2008/01/19 2:05 AM |
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