本屋さんごっこ

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ムニョムニョ覗く←→覗かれる、視る←→視られる

ダンボール箱を頭からすっぽりとかぶり、都市を彷徨する箱男は、覗き窓から何を見つめるのだろう。一切の帰属を捨て去り、存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは?贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面。読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく迷路。

箱男箱男 安部 公房(著)
新潮社 1982-10 文庫

おすすめ平均star
star軽やかで美しいイメージstar箱の中と外
star安部公房実験の最高峰
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箱という自分だけの小宇宙、隙間から覗き睨みつける優越感。具体的な箱生活のための箱の製作(加工)方法や用意する物の解説といい、とてもリアルに感じ、都会には人々の精神的近視により見えないが箱男は確かに存在するかも、と思えてしまいました。世捨て人には違いないが、ホームレスとは違う、世間の埒外に身を置きながら、ただ覗く存在となる箱男の概念に、面白みを感じました。
物語の最後には、何が箱で、本物の箱男がどちらで…視るものと視られるものの関係、本物と贋物の関係が何度も引っくり返っていきます。このめまい感も面白い。
安部公房氏の小説を読んでいると、主体と客体の境があいまいになる。今、自分がより所とし立っている地面がぐらぐらする感じ。本源的なところで自分の存在とは、と突きつけられる感じがします。
| 「あ」行の作家 | 09:09 | comments(0) | trackbacks(0)
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